2019年3月14(木)の朝英語の会梅田で使う記事が発表されました。3月5日が新聞休刊日の為、2月26日(火)の以下の記事を使います。今回は白血病を患っていることを公表した東京オリンピック出場候補の池江璃花子選手の件から注目を集めている骨髄移植についての記事です。
Let's discuss bone marrow donation
衝撃的な池江選手のニュースを受けて、急激に骨髄バンクへのドナー登録希望者が増えました。白血病の治療には以下の記事にあるように複数の治療方法がありますが、病気の進行が進んでいれば、やはり最終的には骨髄移植に頼ることになります。
Leukemia: Symptoms, Causes, Treatment
【Treatments】
The treatment you get depends on the type of leukemia you have, how far it has spread, and how healthy you are. But the main options are:
Chemotherapy
Radiation
Biologic therapy
Targeted therapy
Stem cell transplant
Surgery
日本骨髄バンクのHPによると、ドナー登録者は2018年3月末で48万3,879人。しかし、2010年の時点で、9割以上の患者さんに適合するドナー候補者が見つかっても、実際の移植率は約6割だといいます。どんな課題があるのでしょうか。ドナー登録をしていても、いざ提供する段階になると断られるケースも多いそうです。「がんサポート」のHPによると、骨髄の移植率が低いのには、次のような理由があるそうです。(https://gansupport.jp/article/patient_and_organization/patient01/4567.html)
圧倒的に多いのが、登録時には健康でも、適合通知が届いた時点で何らかの病気の治療中、妊娠・出産・授乳中といった、健康上の理由。
自分の意思で登録したものの、提供する段階になって、後遺症が残ることを心配する家族の同意が得られないケース。
健康上の理由の次に多いのが「都合がつかない」というもの。骨髄採取時には通常3泊4日程度入院するほか、提供前後の健康診断、自己血輸血(*)にそなえての採血や諸手続きなどのため、計6~10回通院しなければならない。これが、働きながら提供したい人には高いハードルとなる。いざ選ばれても「どうしても仕事の都合がつかないため、今回は見送らせてください」というケースが多い。
少し古い記事ですが、3の問題を解決するため、近年はドナー休暇やボランティア休暇の制度を整える企業も出てきました。また、骨髄ドナーの休業に関わる金銭的な負担を減らすため、助成金を提供する自治体も現れてきています。18歳の息子を白血病で失った夫婦が、患者家族の立場から骨髄バンク事業の普及啓発に取り組んだ結果、骨髄ドナーに対する助成金制度を導入したのが新潟県加茂市です。夫婦が約1年半にわたって交渉を続け、加茂市は2011年4月、提供したドナー本人に1日当たり2万円、7日間を限度に給付する全国で初めての助成制度を実現させました。(https://www.kobe-np.co.jp/news/health_topics/201410/0007405161.shtml)
また別の記事で驚いのたが、日本の骨髄バンクは諸外国とも提携していて、条件が合致すれば、日本人ドナーの骨髄が海外在住の外国人に提供されることもある、という事実です。
池江選手のような強靭な肉体を持っていても、世界にはまだまだ治療困難な病気がたくさんあります。その時に我々は今や世界に広がったコミュニティの一員としてどのように行動できるでしょうか。人間の英知が問われていると思います。