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執筆者の写真Dr. K. Shibata

5/24(木)朝英語の会梅田のテーマ:刑務所の運営について



5/24(木)の朝英語の会梅田のテーマは先日、広島で起こった開放型刑務所から脱走した囚人の逃走劇とその顛末についてです。この記事から当日の議論のテーマは「刑務所の運営」についてが中心となります。

私達は日々、犯罪に関するニュースをTVや新聞で見聞きしています。近年、裁判に関してはTVや映画で法廷劇が取り上げられることが多いので、多少なりとも知識や関心はありますが、実際の刑務所の運営や囚人の生活については、ほとんど知らないのが一般的ではないでしょうか。

今回の広島での逃走劇は日本の刑務所の運営の手法が近年大きく変わってきたことを改めて私たちに教えてくれたと思います。海外に長らくいた私は知らなかったのですが、2005年のNHKの番組で

刑務所にチャンスあり ~企業・自治体の狙いは~

という内容の放映がありました。この中で現代の刑務所の存在が以下の様に表現されています。

「法務省は、刑務所の収容人員が100%を越える中、2ヶ所の刑務所新設を決め、この3月に最後の候補地が決まった。自治体にとっては受刑者や刑務官などの人口が増加し地方交付税が増収となる上、様々な経済効果が期待できる。」

そして、「新しい刑務所の運営には民間ノウハウを活用するPFI方式が導入され、大手企業が参入を図っている」のです。

これらの改革には海外の刑務所の運営の手法が大きな影響を与えてきたことは間違いありません。しかし、国によって「罪と罰」の捉え方、犯罪者の更生については大きな考え方の違いがあります。収監者が多数に上り、服役期間が長いのが米国の特徴です。しかしまた、米国の収監者が非常に多いのは刑務所の運営が民営化されたことも一因であるとの見方があります。事業利益をあげるために検察制度そのものが歪められ、比較的軽度の犯罪であっても収監されている囚人が多すぎるというものです。

Can America fix its prison crisis?

これに対して開放型刑務所の推進を進めているのが北欧を中心とする欧州諸国です。こちらは刑務所の運営費用の節減と囚人の早期の社会復帰の促進の両面から、できるだけ犯罪者を収監せず、刑期を短くし、たとえ収監するとしても、その刑務所は開放型が中心です。米国とフィンランドの違いを示したCNBC制作の動画が両国の刑罰制度の違いをよく表現していると思います。

Meet the Prisoners Who Have Their Own Keys, Therapy Horses, and Leave Prison Every Day

今回利用する記事は以下のものです。

Let’s discuss the capture of the Shikoku prison escapee

皆さんの活発な議論に期待します。


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