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執筆者の写真Dr. K. Shibata

11/30(木)朝英語の会のテーマ:日本の学校の校則と個性あるいは多様性について



先日、日本国内の在留外国人数が100万人を超えたという報道がありました。いよいよ日本社会も人口構成におけるグローバル化の波にさらされているようです。下記のリンクのデータは2016年末の大阪府及び兵庫県内に在留している外国人の国籍や目的別の滞在の内訳です。在留外国人の総数としては大阪府が217,656人、兵庫県が101,562人です。

このような現況ですが、日本の多くの学校では厳しい服装規定とセットになった頭髪やメークに関する校則が引き続き運用されています。わが国では「服装の乱れは生活の乱れ」という考え方が広く社会に浸透しているからです。規制を実施している学校側は「生徒の大半は日本人だから生まれつき黒髪である」という前提のもとにヘアカラーを禁止する校則を定めています。また髪の毛の色が生まれつき明るい生徒もいるという主張に応えてのことと思いますが、子供の頃の写真の提出を要求する「地毛証明」なるものも約6割の学校で導入されているという調査もありました。

学校側のルールに従ってもともと髪の色が明るかった生徒が黒髪に染めるように強要され、精神的・身体的苦痛を負ったと大阪府立高校が提訴されたのが、海外でも国内でも批判に晒された以下のガーディアン紙の記事の事件です。

Japanese student sues over school's order to dye hair black

前大阪府知事・大阪市市長の橋下徹氏は「服装の乱れが非行につながる」という考え方のもと、「人権派は教育困難校の実態を知らない」と、月刊プレジデント誌上で現行の厳しい校則を支持する意向を表明しています。

橋下徹「尾木ママは荒れた学校を見てみろ」 髪の色は自由でいいと言うのは簡単

フォーブス誌は2015年に神戸でアルバイトの高校生(元来茶髪)がやはり黒髪に染めるように要求され、これを拒否し裁判を起こしたと報道しています。高校生は精神的な苦痛を受けたと、損害賠償金の33万円を受け取り勝訴しました。

制服の導入は、その学校の生徒としての一体感やプライドを保ったり、また洋服選びで無駄な時間を使わない様にとの配慮、あるいは生徒同士の貧富の格差を見えにくくしたりといった様々な利点が指摘されていました。しかし、この画一性が生徒の身体的特徴にも及ぶとなると話が違ってきます。日本独特と思われるこの制度や文化をどのように外国人に説明し、またそれに対する個人の見解を表明しますか?

今後多くの外国人が観光だけでなく、就業者として、あるいはその家族の一員として日本にやってきます。日本社会のグローバル化は確実に進行しています。皆さんの当日の議論に期待しています。

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